石澤敦のメディカルインフォ

脂質異常症について(3)

脂質異常症の薬物治療

脂質異常症の薬物治療の実際

(1)基本的な薬剤
(2)薬剤をどう使うか
(3)薬物治療で気をつけること(副作用)
A)横紋筋融解症

① 横紋筋融解症とは
骨格筋の細胞が破壊され融解・壊死を起こし、血液中に大量の筋肉成分・ミオグロビンが流出、その結果、腎臓に負荷がかかり腎障害(急性腎不全)を起こす病態。
頻度は多くはないものの(発症率:0.02〜0.02%;海外データー)、発症すれば重篤な事態となり得る。

② 上記 SAMS カテゴリー(4区分)別の対策

B)肝機能障害

スタチンによる重篤な肝障害の頻度は低いと考えられているが、一般的に起こり得る副作用として定期的に経過観察を行う。

※スタチンによる肝障害の基準と対策

C)腎機能障害
  • ① 腎排泄型のフィブラート系薬は、腎機能障害患者には禁忌である。
  • ② 薬剤投与開始後は、スタート時正常腎機能者であっても、その後、様々な要因によって腎機能悪化を来す可能性を念頭に、定期的な血液検査(血清クレアチニン値、eGFR 等)を行う。
D)まとめ

肝障害・腎障害・筋障害に関連する臨床検査値の基準値と投与中止を考慮する目安

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