脂質異常症について(2)
脂質異常症が分かったら:脂質異常症の管理目標
脂質異常症の管理(治療)
脂質異常症の非薬物治療(1):食事療法
※脂質異常症に関連する栄養素
- ① 糖質:生活活動に対して相対的に過剰摂取になると、脂肪に変換され体内に蓄積され、肥満の原因となる。果糖、蔗糖は、多量に摂取すると、中性脂肪になる。
- ② コレステロール:細胞膜の構成成分となるほか、ビタミンD、ステロイドホルモン、胆汁酸に変換される。大量に摂取すると、排泄された胆汁酸も腸肝循環で再吸収され、肝臓、血中のコレステロールが増加する。
- ③ アルコール:過剰に摂取すると、肝臓で酢酸に分解されて多量のアセチル CoA が生じ、中性脂肪が合成されて高中性脂肪血症の原因となる。
- ④ 粘性食物繊維:小腸における中性脂肪やコレステロールの吸収を阻害するため、不足すると血中脂質が増加する。
- ⑤ 飽和脂肪酸:LDL 受容体の活性化を低下させ、LDL の組織への取り込みを抑制、結果として血中 LDL-C の増加を来す。
- ⑥ 多価不飽和脂肪酸:LDL 受容体活性を高め、LDL の肝臓への取り込みが亢進、血中コレステロール濃度を低下させる。ただし、過剰に摂取すると、HDL-C を減少させる。
- ⑦ トランス脂肪酸:LDL 増加、HDL 低下させる可能性。
- ⑧ n-3系多価不飽和脂肪酸:中性脂肪の合成を抑制。